スペイン人はなぜ豚肉を食べるのか?
7月末、冬の アフリカ大陸から、一気に夏のスペインへ!!
5日間でバルセロナとマドリッドをかけあしでお散歩してきました。
バルセロナの空港を下りた瞬間、当たり前だけれどすごく「ヨーロッパ」で、それまでの2週間を過ごした南アフリカ・スワジランド・ボツワナ・ザンビアの景色とはかなり違う。「文明世界に帰ってきたんだなあ」というただいま感が強くて、正直新鮮味が感じられず…。
でも、実際に街まで出てみると、そこには素敵な異国の香りが広がっていました。
サグラダファミリアも美しかったけれど、個人的には街中にふっと現れる小径に心奪われたり。
そして、食に関しても豊かなこの国。
バルセロナ中心にあるサン・ジュセップ市場もたくさんの人で賑わっていました。300以上のお店が入る、カタルーニャ州(バルセロナがある州)で一番大きな市場です。
さて、スペインの市場やスーパーマーケットには、よくこんなものがぶらさがっているのですが…何だかわかるでしょうか?
スペイン語が読める方には答えになってしまいますが、ひいて見るとこんな感じです。
もう、おわかりでしょうか。では、棒状の部分の先端に近づいてみましょう。
豚の手。
スペインではよく、このような形でハムが売られているのを見かけました。
たしかに、スペインといえばイベリコ豚が有名ですし、ハムも、サラミも、ベーコンも、とにかく美味しいイメージがありますよね。
元々、飢餓や戦が続く中で保存食として発達したハムなどの加工食品ですが、その後の発展には宗教的な歴史が関係しているようです。
8世紀初頭、北アフリカからジブラルタル海峡を渡ってきたイスラム勢力によってイベリア半島が侵略されると、現スペインの国土にはイスラム教徒・キリスト教徒・ユダヤ教徒が入り混じるようになりました。
しかしその後起きたレコンキスタ(国土回復運動)により、キリスト教国家が勢力を持ち始めると、豚肉を食べられないイスラム教徒とユダヤ教徒を追い出すために、豚肉食の推進がおこなわれたそうです。日本の江戸時代にあった「踏み絵」と同じような仕組みですね。
スペインのすぐ南はイスラム国家・モロッコなのに、海を挟んだだけでこんなに美味しい豚肉が食べられるなんて不思議だなあ、と思っていたのですが、このような歴史が関係していたんですね。
市場で買った白カビサラミ。ホステルに帰って食べ始めたら止まらなくなり、夜は喉がカラカラに。笑
食に歴史あり。豚肉から学んだ、スペインの歴史でした。
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