探し物は何ですか
Olá!Como está?(オラ!コモエスタ?)
杏子です。今日はポルトガル語の挨拶から始めてみました。「こんにちは!元気ですか?」という意味です。
ちなみにスペイン語で言うと「Hola!¿Como estas?(オラ!コモエスタス?)」になります。お隣だけあって、似てますね!
さて、今日はポルトガルで出会った面白いものをご紹介します。
マネキンが着ているこのコート、何でできていると思いますか??
答えはこちら。
なんとコルク。
ひと目見て「可愛い!!」と思い、手に取ってみたら想像以上の軽さ。店員さんに聞いてみたところ、水に強いので洗える商品もあるのだとか。
すっかり興味津々になり調べてみると、どうやらコルクは環境にやさしい素材であることがわかりました。
コルクはコルクガシという木の皮からとれる天然素材で、ポルトガルは世界一の産地。羊の毛刈りのように、成長サイクルに合わせて繰り返し収穫することができ、木を痛めたり、伐採する必要もありません。それどころか文献によっては、皮を剥いだコルクガシは通常のコルクガシの約5倍ものCO2を吸収するとも。一説によると、2000年以上前から人々の生活のなかで利用されてきたのだそうです。
【動画】Birth of the Cork
ポルトガルのナイスなおじさまがコルクガシから皮を剥ぐシーンをひと目見たいと思い、夫に懇願し、さっそくコルクガシが沢山生えているらしいエヴォラという世界遺産の街へ行くことにしました。
リスボン→エヴォラはバスで約1時間半なので、日帰りでOK。
エヴォラに到着して最初に訪れた「10月5日通り(Rua 5 de Outubro)」は、1910年10月5日に起こった革命を名に冠した小径。この日は私たち夫婦が挙式した日でもあったので、嬉しくなってまずは記念撮影。
さて、いよいよコルクガシの木を探しにいこう!!と思い、とりあえず木が生えていそうな方向に向かって歩き出した私たち。何の手がかりももないまま、お散歩気分でした。
しかし・・・甘かった。
炎天下のエヴォラ。じりじり焼ける肌。いくら目を細めても眩しい太陽。
アスファルトからたちのぼる蜃気楼が足元にまとわりついて、顔から滴った汗は地面に落ちた瞬間に蒸発してしていくよう。
次第に言葉少なになりながら、私の脳内にはひたすらに後悔と自責の念が去来していました。
一体なぜ何の手がかりもないまま歩き出そうと思ったのか。
こういう時はコルク製品の会社に生産過程を見せてほしいとアポでも取っておくべきではないのか。
そもそもエヴォラにコルクガシの木が生えているという情報はどの程度信頼できるものなのか?
生えていないんじゃないか?
だとしたら私たちは今、一体なぜここにいるのか?
あまりの暑さで徐々に体調が悪くなってきた私たちは、しばらく木陰に立ち止まって逡巡したのち、来た道を引き返すことに決めました。帰りの道でも、行きと同じかもしくはそれ以上の体力を消耗し、なんとか帰りのバスに乗り込んだときには二人ともフラフラ。汗でべたべたになった身体をぐったりとシートに預け、走り出したバスの窓からぼんやりと外を見遣ったその時。
なんと道の両側にコルクガシの林が・・・!!
皮を剥いだ形跡のあるもの、すっかり皮が再生してまもなく収穫の時期とおぼしきもの、
おそらく5分以上はコルクガシの林が続いていたと思います。
高速で流れ去っていくコルクガシの中で、私たちはただ、力なく笑っていました。
エヴォラにコルクガシの木があったのは本当でした。
でも今度はもう少し違ったアプローチで、ナイスなおじさまに会いに行きたいと思います。
熱中症になったのか、夜になると二人とも頭がガンガンして、21時には就寝したのでした。
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