モロッコの迷宮都市とミントティー

こんにちは、杏子です。

日本に帰ってきて「どこが一番よかった?」と訊かれるたびに「一番は決められない」と答えているのですが、必ず言っているのが「でもモロッコはすごく印象的で思い出に残った」ということです。

モロッコは、絶対また行きたいし、色んな人に見せてあげたいと思う場所。思い入れが強いぶん、記事を書くにもいっそう力が入ります!

 

ポルトガルの首都・リスボンから夜行バスを乗り継いでスペインの南端アルヘシラスまで行き、フェリーでジブラルタル海峡を渡ってアフリカ大陸モロッコのタンジェ港へ。迷宮都市フェズへは、そこからさらに列車で5時間かかります。

35℃を超える8月のモロッコでもタンジェ⇒フェズの列車は清潔でクーラーがきいているので快適!とどこかのブログで読んでいたのですが、たまたまなのか私たちが乗った車両は空調がまったく効いておらず、窓も開かなかったのでかなりキツイ旅路となりました(途中、斜め前の席に座っていた女の子が車内で戻してしまい、お母さんがそこにペットボトルの水をかけて洗ったため周辺に広がるという日本では考えられない惨事もありました)。

すっかりお湯になったミネラルウォーターをちょこちょこ口に含んでは、心の中で「心頭滅却」を唱え続けた5時間。

心頭滅却しすぎて、カメラを紛失しました・・・。

でも、一緒に車内を捜索してくれたり、ポリスへ届けを出すよう勧めてくれたり、「思い出を無くすのは残念だけど、一番大切なのは健康な身体だよ」と慰めてくれたモロッコの方々には感謝です。さようならNikonのミラーレス一眼。(それにしても、私たちが10ヶ月の旅で失ったものといえばこのカメラくらいのもので、本当に安全な旅路だったなあと思います。)

 

世界遺産に登録されているフェズ旧市街は、まさに迷宮都市。

迷路のように張り巡らされた細道には車が入れないため、物資の運搬は人力か、ロバなどの動物を使っておこなわれています。

 

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旧市街では、築1200年(!)という信じられないほど古いホテルに宿泊することにしました。到着すると、サービスのミントティーが振る舞われます。

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ここまで本当に長かったので、甘いミントティーがすごくすごく美味しかったことを覚えています。 日本が緑茶で、トルコがチャイなら、モロッコはミントティー。これまではレストランでミントティーがあってもあまり選ぶ習慣がなかった(どちらかというと得意じゃなかった)のですが、モロッコのミントティーは美味しくて、行く先々で飲んでいました。

 

可愛いバブーシュが有名なモロッコでは革産業が盛んで、フェズ旧市街の中にも革のなめし工場がありました。

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「革の臭いがキツイから」とお店の人に渡されたのも、ミントの葉。

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鼻先にあてるだけで、気持ちまでスッキリします。

 

その夜、事件が起きました。

日も暮れて、部屋に戻ったあとのことです。

「うわあああああーーー!!!」

備え付けのバスルームへ行った俊介が突然叫び声をあげ、同時にものすごいスピードで戻ってきました。

「助けてくれえーーー!!!」

足をバタバタさせて完全に平常心を失った状態の夫。何が起こったのか訊くと、「トイレに行こうとしてドアを開けたら上から黒いものが降ってきた。足の上にのったそれを見てみたら巨大な“アレ”だった。すでに部屋に侵入してる!」 というのです。

えええ、それはマズイ!!見ると、すぐそばに日本ではお目にかかれない特大サイズのアレが!

北海道出身、アレに対する免疫がほとんど無い俊介は完全にネズミに出会ったときのドラえもん状態。

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自然との共生とは一体何なのでしょうか。

「何があった?!」

騒ぎを聞きつけて宿のお兄さんがやってきました。プリーズヘルプミー、コックローチコックローチと騒ぐ私たち。それを見て、「OK!」とスマイルのお兄さん。なんとも余裕綽々です。助かった、きっとモロッコ流の撃退法でもあるのだろう、と思ったのもつかの間……。

あたりをキョロキョロし、何かを手にとるお兄さん。それを見て、なぜか取り乱す俊介。

「It’s mine!!(それ俺の!!)」

その手に握られていたのは、なんと俊介が今日履いていたサンダルだったのです。
「Wait! Wait!(待て!待て!)」
駆け寄ろうとする俊介。けれどお兄さんとの間にはアレがいて近づけません。

「OK!OK!(ニコッ)」
「OKじゃない!ほかになにか叩くものが……(もはや日本語)」

 

パーーン!!!

 

威勢の良い音がして、再び笑うお兄さん。

 
 
「OK!OK!」

 

騒動が少し落ち着くと、お兄さんは私たちに屋上へ行くようすすめてくれました。屋上にはイスとテーブルがいくつか置いてあり、ゆっくり休憩することができます。 二人で席に着くと、お兄さんは屋上にいた別のスタッフのおじさんに何か話をしてからいなくなりました。

しばらくして、おじさんがミントティーを持って戻ってきました。銀色のお盆の上には大きなポットと、透明なグラスが2つ、のっています。素晴らしい心遣いです。ミントティーでほっと落ち着けるように、と先ほどのお兄さんが指示してくれたのでしょう。日中の暑さも落ち着いて、屋上には涼しい夜風がそよぎ、頭上には星空が広がっていました。おじさんが右手でポットを持ち上げ、左手のお盆の上のグラスめがけて高いところからミントティーを注ぐ姿は芸術的です。
 

パーーン!!!

 
 
3者の沈黙。その中心で、なぜかグラスが木っ端みじんになっていました。

 

もはやコントとしか思えないような展開でしたが、翌日には別の部屋のバスルームを使わせてくれたり、無料で食事を用意してくれたり、とにかく人のよいみなさんのおかげで楽しくも忘れられない良い思い出になりました。

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モロッコといえば、ミントティー。皆さんもモロッコへ行った際には、是非トライしてみてくださいね♪

 

★オマケ★

滞在中にこの宿の屋上でペインティングを手伝いました。宿の名前が思い出せず、まだ残っているのかもわかりませんが、もし見かけた方がいたら教えてください!

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